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先月18日のスウエーデン地方紙Nerikes Allehandaにスウエーデンの芸術家Lars Vilksが描いたイスラム教の預言者ムハメドの風刺画が物議を醸し、その後今月に入ってスウエーデンの首相がイスラム諸国大使を招いて遺憾の意を表明することになったという一連の事件に新たな展開があった。
この風刺画は犬の体を持ったムハメドを描いたものだが、今日、Lars Vilksを殺害した場合10万ドルの賞金を出すとアル・カイーダが表明した。また地方紙の編集長殺害にも5万ドルの賞金をかけている。スウエーデンがこの件に関して謝罪しない場合、エリクソン、ボルボ、イケア、エレクトロルクスなども攻撃すると警告した。
ところで、このアル・カイーダの声明に先立つ今月7日夜、Lars Vilksが地元の高校生と製作した「辻犬」が燃やされるという事件があった。犬つながりで、アル・カイーダの仕業か?ということにもなったのだが、今回書きたかったのは、この「辻犬」についてである。
「辻犬」とは私の造語であり、本来は「ロータリー犬」とでも呼ぶべきか。スウエーデン語では「rondellhund」という。「rondell」とは、roundaboutのことである。そして「hund」は犬。ストックホルムでもrondellにときどき変な犬のぬいぐるみや工作みたいなものが置かれているのを目にしていたが、何の意味があるのか考えたこともなかった。
「rondellhund」の起源はとても新しく、2006年が始まりだという。スウエーデンではもともと自治体が芸術に出資して街の至るところに様々な芸術が飾られている(ストックホルムの地下鉄の駅などもその例)が、それに対して「たいしたことのない芸術にお金をかける」という批判も一方であり、その動きの一連として一般人が自作の犬の工作をrondellにこっそりと設置し始めたという経緯があるようだ。主に南スウエーデンに多いが、ストックホルムにも数多くあるらしい。


そして燃やされたのはこちら。
この「rondellhund」、あのイギリス人もスウエーデン流ユーモアを気に入ったとみえ、なんとロンドンまで輸出されたとのこと。


何となく笑いを誘う「rondellhund」であるが、アル・カイーダの復讐は洒落にもならない。スウエーデン国内にはおよそ45万人のイスラム教徒がいるとされ、彼らもこの風刺画に対する抗議運動を行っている。スウエーデンとしては、多くのイスラム教徒を難民として受け入れているだけに国として批判される根拠もなく、首相も「謝罪」ではなく「遺憾」の意を表明したのだそうだが。
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