東京赤坂プリンスホテルで行われたCASE-Jの結果報告会に出席した。企業が主催するのでないアカデミックな公正な研究、といわれるが、京都大学EBM研究所と日本高血圧学会による研究として始まったこの研究、始めからT社の力が影で大きく働いており、そういう意味で公正な研究かどうか疑わしい。はじめから企業の主催という形ですれば逆に文句はないのに・・・、公正だといいながら、今回の結果発表はきわめて一方に偏った部分だけに着目したもので、ちょっとがっかりした。方法論は公正であることはわかる、であるなら企業主催でもアカデミックでも関係ないではないか?強調するからこだわっていしまうのはわたしがあまのじゃく?
結果内容は、ある部分だけとれば確かにT社のARBの特徴が出て、T社にとっては本当にうれしいものだっただろうし、わたしも勉強になることが多々あった。実際に聞かせていただいて感謝している。
しかし、スタディーに加わったわたしの患者さんのなかではすべて対照薬の方がより降圧の面では有効の印象だった。降圧効果が同等というのは、最終用量の話が出なかったのでわからないが、とても信じられない。特にある患者さんは対照薬を中止してこのスタディにはいり、割り付けでT社の薬に決まったわけだが、1ヶ月もしないうちに患者さんがお願いだから元の薬にしてほしい、この薬になったすごく血圧があがって困る、といわれ、ドロップアウトとして対照薬に変更した。これも、フォローアップ対象とされ最後まで報告した。フォローアップ率の異常な高さはこういう症例もフォローし続けたためと思われる。
EBMは大切だが個々の特徴をそぎ落としてmassの結果だけが見えてくることに注意しなければならない。EBMを現場に適応する場合、また個々の違いを考えなくてはならない、
肥満患者の新規糖尿発症予防、肥大退縮、腎機能改善などかなりいい結果があり、今後の治療の参考にしたいと思う。
繰り返すが、こだわっているのは公正なスタディーと言いながら一方からの見方しかしていないことが気になったのです。
去る10/15(日)東京永田町でこんなセミナーがありました。
*シュタイナー音楽療法セミナー *
「音楽の作用」における 科学と芸術の対話 〜音楽療法の科学性と精神性をめぐって〜
講 演 会 「心臓が奏でる音楽‐呼吸と心拍のリズム研究」
マクシミリアン・モーザー教授
体験・講座 「響きの体験と聴く作用がもたらす治癒の力」
ラインヒルド・ブラス女史
通訳 :入間カイ(英独通訳者・シュタイナー研究
特別ゲスト:湯川れい子
人間の健康状態における心拍と呼吸の関係を数値化した「時間生物学・医学」 (カラヤンセンタープロジェクトの一環)の先駆的研究者であるマクシミリアン・モーザー教授と、響きがもたらす心への作用や聴く力が持つ治癒力の研究を長年行ってきたラインヒルド・ブラス女史。このおふたりをお招きし、様々な響きの楽器を使いながら、音楽が人間の生体と心に及ぼす作用の科学的意義について、皆様と共に考えてみたいと思います。新しい時代の医療や音楽療法の分野、また予防医学の分野にとっても、新たな視点が開かれることでしょう。
**** 以上、チラシから引用 ****
わたしは3年前から、GWに行われて、わたしも毎年参加しているアントロポゾフィー国際医学ゼミナール(IPMT)にてモーザーさんに出会った。彼は、ハートマンという(写真中央)装置を使って、心拍の変動を記録し、独自の解析を(ハートバランスという会社)することにより、人の睡眠の質、vitalityの度合いなどを判断でき、芸術療法、特に音楽療法の効果を科学的に判定できる可能性を示している。日本では正式に医療に使うことができない現在、家族、友人を被験者にして、まずはいろんな状況でのハートマン記録をとっている。写真右がその解析結果だ。
ハートマン、について・・・以前にもコメントしたが、現在睡眠時無呼吸などで、睡眠障害が注目されているが、実際にSAS簡易検査にて調べる呼吸によって睡眠時の呼吸の良否はわかるが、本当に睡眠による「回復」ができているかを判断するのにハートマンは非常にいい情報を提供すると思われる。ハートマンの特徴は睡眠の質=昼間の生活の疲れからの「回復」の度合いがビジュアルに判定できる点にある。
11/5に予定されている日本のアントロポゾフィーのための医師会総会でもこの件を報告し、一つの研究テーマとしていきたい。
その研究の規範となるのが今回出版された「時間生物学と時間医学」の訳本だ。また入間カイさんの渾身の訳(時間的にも大変でした)です。
今回、モーザーさんの講演会とブラスさんの体験講座という二つの非常に実りのある経験をさせていただいた。東京も日曜の永田町ならすいているといわれていたのと、当日寝坊したのとで、妻と車で東京に行くという初めての経験。しかし、思った以上に楽に行ってこられた。講演会の後、懇親会では突然のご指名で司会などをやらせていただいたが、特別ゲストの湯川れい子さんのお話はとてもおもしろかった。湯川さんといえば、私たち中学生時代、FMやTVなどで音楽評論を聞かせていただき、雲の上の人であり、いい出会いをさせていただいた、「何を歌うの」と聞かれ、図々しくも先日の当院フォーラムのCDをお渡しし、自己PRさせていただいた。
「修行中」のシュタイナー医学=アントロポゾフィー医学のなかで、科学的に解析が出来て、今後注目されると考えられているのが、時間生物学。
人間の脈拍には揺らぎがある。一拍づつの間にも呼吸、循環、その他の体のリズムが反映される。その脈拍の揺らぎに反映された生体内リズムを評価することで、睡眠の質、夜間の再生状態、昼間のバイタリティーなどがわかるが、それを実際に測るのがハートマンという機械です。
これはまた時間があるときに写真などを入れるが、現在オーストリアのグラーツの大学の教授、マックス。・モーザーさん〔教授〕から1台借りて家族などで試しています。私の睡眠は情けないほど浅く、再生が出来ていない。この機械を用いて、芸術療法の効果、意味を探ろうという試みが始まっています。
10/15東京にモーザーさんを招いてシンポジウムを行います。このときまでにモーザーさんの著書を翻訳する作業が、入間カイさんを中心に行われています。私のところにも校正の依頼が来ました。今日の昼はこの校正にかかりきりになりそうです。
では診察、開始!
週明けから2日続けて、ハートマン(R)を家族に試用.
オーストリアGrazのMax Mozer先生中心に開発した心拍の揺らぎを解析する装置。
まるでホルター心電図のような機械で、今は珍しいスマートメディアカードに一晩中の脈拍を記録(心電図ではなく単にRR間隔のみ)。記録したメディアをMacBookProまたはPCにマウントし、それをハートマンの解析サイト=Hertbalance.comにアップロード。1−2分で解析が終了。その図をダウンロードする。時間生理学で以前から注目されている、心拍の揺らぎ。この揺らぎが人間の他の体内リズムを反映していることから考えられたこの機械は、一日の活動度(生命力)、睡眠の質の良さなどを評価でき、その結果、芸術療法などの治療の効果なども評価できると期待される。いままで、科学的な研究はなかなかされなかったアントロポゾフィー医学の中で、特に科学的な証拠を出せる可能性があるので、注目されている。
今度は私が1年ぶりにつけ、治療オイリュトミーの効果を確認してみたい。1年前にアントロポゾフィー国際医学ゼミナールでチェクした私のハートマンによる睡眠の質は非常に悪かった。Recoveryを示す、深い眠りになかなか至らなかった。オイリュトミー治療を2ヶ月受け、最近は睡眠もいいように思われるので、その変化が期待できるか。
ちなみに某家族の一人は非常に見事な睡眠の質を示し、私との差を際立たせている。うらやましいかぎり。
2006年6月21日水曜日
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