GWに当院で行なわれたアントロポゾフィー国際看護ゼミナールは、25名の看護師さんを迎え、4/29-5/5の1週間、朝10時から夜10時まで(!)のみっちり詰まった日程で行われました。
今年が看護ゼミナールは3年目。過去2年はアントロポゾフィー医師の卒後研修コース(IPMT)とともに、長野市近くの飯縄高原にあるホリスティックスペース水輪にて行われていました。3年目の今年、下界におりて、一般の方々に向けてのアントロポゾフィー看護の理解を広める目的もあり、当院の場所を使って行なっていただくことになりました。
スイスから、アン・ジョリスさん、サーシャ・グローアさんの二人の看護師さんが講師として来訪し、看護師さんの講義、実習に加え一般対象にアントロポゾフィー医学における生まれる前から看取りまでの看護・医療に関して公開講座も予定されていました。
しかし3.11東日本大震災のため、とりわけその後の原発事故のために、ヨーロッパからの講師の来訪が困難になりました。4月上旬まで調整していましたが、講師がこれなくなったと決まった際も、看護師さんたちが、当院に集まることが意味がある、とのアンさんらの強い意向もあり、ゼミナールは中止せず、SKYPEを用いて講義を行うという初めての試みを行うことにしました。
従来もゼミナールの準備や、困った患者様の相談などでSKYPE利用をしていましたので、事前に3回ほど、予行演習をし、何とか、できそうだということになりました。
当方では、高速の光回線が引いてありますが、通常ノートパソコンは無線LAN接続、回線を安定化するため長いLANケーブルを用い有線使用としました。また、ノートパソコンからは液晶プロジェクターをつなげ、会場に80インチのスクリーンに相手側が映るようにしました。スカイプ会議ではMacBookについているカメラやマイクでもいいのですが、せっかくの会ですので高画質高音質を考え、LogitecのHDWebカメラを入手(これは動きに対する反応がすばらしく、ほかのカメラとは一線を画するものでした。マイクに関しては会場の意見をもらうことも考え、Blueというオーディオマイクでも定評があるところのEyeBall(目玉親父?)というUSBマイクを購入し(それにもカメラはついていましたが動画性能が×でした)、USB延長ケーブル5メーターを使い(これはカメラにもつけました)、会場内の参加者に近づけて画像や音をとることができるようになりました。最初に行う、参加者の自己紹介などに威力を発揮しました。はじめにアップで参加者をみておけると、講師側も臨場感を持って講義ができるようでした。
そして当院で行った最も意味があったことは、みなが聞く音声です。当初パソコンから出てくる音でもいいかという意見もありました。USBスピーカも考えました、しかし、幸運なことに当院には私のコンサートなどの録音を確認する目的などで、サウンドパーツのフィールド型3発(電磁石で動くスピーカーが3本入っているトールボーイ)がおいてあり、サブルームにはそれを駆動する真空管アンプ(武石さんという方の作っていただいたVT52のシングルアンプ=なんと出力は方チャンネル4ワット以下です)がありましたので、ノートパソコンからミキサーまで延長するケーブルや、アダプターをアマゾンやサウンドハウスさんから仕入れ、何とか当日に間に合わせました。真空管アンプ、ドイツの1930年代のスピーカーから出る音声は、普通なら電子的で、疲れやすい音声を、何とか、長時間聞いても疲れにくくできたのでは、と自負しています。(この2段落は趣味的な話ですみません)
趣味も、こういうときに役に立ちます。
こういう風に看護ゼミナールでは私はエンジニア兼任で、講義も半分以上聴講させていただきました。
内容は、怪我の功名というか・・・すごく充実していました。
スイス側はアーレスハイムというドルナハというアントロポゾフィーの本部がある村の隣町でイタヴェーグマンクリニックやルカスクリニックがある町に、SKYPEの拠点を設定していただきました。そこに、スイス・ドイツ側の講師が、時間をシェアしてたくさん参加してくださったことが大きかったことです。
☆両クリニックの看護師長のクリニック紹介
☆スイスの助産師さんの生まれる前から生まれた後のお話
☆スイスの小児科医の小児病の意味に関するお話
☆医学セクションの長のミヒャエラ・グレッグラー先生の講義も急に決まりました!震災に際した日本の民族の運命に関するお話。
☆看護セクションの長である看護師長さんのお話
☆スイス在住日本人のバイオグラフィーワークのお話
☆サーシャさんの死に向かう7つの段階についてクレーの絵とバイオグラフィーを踏まえた素敵なお話
☆日本人でイタヴェークマンクリニックで勤務されている看護師さんの実際の死における看護の話
☆日本人でルカスで勤務されているオイルとミー療法士の講義
そして医師と合流の上
☆がん治療に用いられるヤドリギに関する講義
放射線障害に関係したお話
☆ドルナッハの自然科学部門の長である科学者の放射線に関する基礎的・実際的なお話
☆スイスの開業医の先生の震災、放射線障害に用いるソールムオイルの講義
書き並べるだけでもどれだけ充実したものだったかがわかると思います。
このほかに4・30キリスト者共同体の司祭さんからの今回の震災の意味と、亡くなった方たちの魂のありようなどに関するおはなしがありました。死と看取りを考える場合に宗教的面からのアプローチも重要と思いました。
また、日本の医師による「週末期医療の実際」、「日本の予防接種の実情」などに関しても有意義な講義がもたれました。看護師さんたちからは研究発表、実際に震災地に行き援助活動をしてきた看護師さんの報告など、実践的で、有意義なお話がたくさんありました。
そして、5・4-5はアントロポゾフィー医学初期研修をすでに終えたアドバンスコースの医師たちと合流し、ともに講義を受けたり、お互いに協働するための話し合いなども行うことができました。
看護師さんたちは本来実習もあるのですが、今回は多彩な講師陣の講義と、何よりもにこの講師さんたちや、日本の医師たちとの出会いが、かけがえのないものになったのではと思っています。
あげつまクリニックでこういう試みができたことをうれしく思います。
来年以降、ぜひ、アンさん、サーシャさん当クリニックに実際に来ていただく機会があることを祈っています。

4/29-5/5 アントロポゾフィー国際看護ゼミ 看護師さん25名参加。
5/3-5 医師アドバンスコース
を、あげつまクリニックにて開きました。
上の写真は、1階のいつもは処置室になっている部屋がアドバンスコースの会議室になりました。ここに17名のドクターが、北は北海道、南は九州から集まり、症例検討会、シュターナー文献読書会、オイリュトミー体験、そして看護ゼミと合流して、看護との協働作業、震災・放射線障害に関する話し合い、を行いました。
もともと、両ゼミナールともに海外からの講師を直接招いての会の予定でしたが、震災と、それに引き続く原発事故の問題により、海外講師の来日が不可能になりました。当院がフクシマから400キロも離れて、放射線被害には関係がない地域だという認識もお知らせしましたが、海外、とりわけヨーロッパの人たちの感覚はわれわれより厳しいものでした。
アドバンスコースの講師、イギリスの先生は環境ができず参加できませんでしたが、スイスの看護師さん講師の地元アーレスハイムに、すかいぷを常時行う場所を設定いただき、党員と、すかいぷにて講義、ディスカッションを行う初めての試みを行いました。
結果は思いのほか、充実したものとなり、今後の国際間の講義に役立つものとなることを確信しました。
詳細は時間があればまたお話していきます。
看護ゼミナースの初日から毎夕シューベルトを、通訳に来てお忙しい浅田豊さんと歌いました。5・4は、スイスともつないで、30分間、震災追悼の意味をこめたコンサートをいたしました。これはそのときの風景です。
オイリュトミー療法士山本啓子さんによる、アドバンスコースのオイリュトミーの時間。震災地に向かってハレルヤというオイリュトミーをしているところです。
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