土曜外来終了後、残務(毎回のことだが、書類、心エコー、ホルター結果確認とカルテへの書き込み、そして外来予習)を終え、一端帰宅。軽食を食べ、名護屋の内科学会地方会に。

内科認定医の点数維持の為もあり、昨年から更新年に入っているが全く参加していなかったので、今回から。私は循環器学会専門医、試験による専門医(それまでの年次は皆、移行期間として試験がなかった)の初会認定のグループ)。循環器専門医維持のため、二階建てとして、基礎になる内科認定医継続も必要に鳴る。病院にいる間は、研修指定などの関係で必要だったが、現在は内科、循環器(今年から循環器内科として線で視しなくてはならないようだが)の開業医として、循環器専門医をもっていることは、標榜可能である以外に全くメリットがない。専門医が診ても一般医が診ても、保険点数がおなじというのが問題。このまま、何回も更新していくことに意味に疑問を感じるが折角試験で得た専門医をなくすのもくやしい。それだけのために多くの参加費と旅費、そしてもっとも大切な時間を使い、学会に参加し、点数をとっていかねばならない。

名古屋で点数をとり、めったに聞かない感染症のセッションと、糖尿内分泌のセッションを聴き、次の勉強会に向かった。内科学会は福岡での総会で発表してことがある(電子カルテシステムの工夫)。しかしどうやら地方会は若い研修医の発表の場であるようだった。

次は三河安城の近くのホテル、友人のドクターが精力的に行っている会。「循環器疾患を総合内科的に考える会」に参加。毎度、彼の前座としては非常に濃度の濃い「おさらい」が非常に役に立った。私はいつもそれを聴きに行く。アントロポゾフィーの研修中で、あまり最近の医学を勉強していない私はこういううところでアップツーデートをやっていないと、 なんちゃって循環器医になってしまう。

今回も思うことだが、最新医学情報を勉強する度に疑問が渦巻いていく。私は5年しかもたないEBMと言うものはそもそも真理とは思われず、信じないことにしている。今回、3万人に及ぼうとする、循環器薬のスタディーを見るにつけ、何のための研究かと思う。こうしたEBMを山のように行って、新しい薬の臨床上有利な情報を提供しようとしているのは、まさに薬剤を作った巨大製薬メーカが金を出し、何とか自分たちの薬のEBMを出そうとするために、行っていることだ。やり方は正しくても、やっている動機が「不純」だ。

こうしたEBMの大規模スタディーは、多くの場合、その研究導入にあたって(薬剤投与にあたって)、 対照薬と正確な比較をするためダブルブラインド法によって、患者が何を投与されるかが判らないような状態で行う。投与される患者さんの個性や特徴は全く無視、あるいは全体として平均的(統計的に)に2群が違わないようにしている。しかし、私たちが臨床で患者さんにあうときは、その患者さんの正確な診断のもと、このひとにもっともいい治療がどうかを、個別に考えて処方をする。人はすべて、個別のものであること、それが忘れられている、EBMはこうした個別の患者さんに本当にあった治療を考えるのには、全くと言っていいほど役に立たない。最近オーダーメード医療と行って、遺伝子を調べて個々にあわせた治療をするという流れがあり、これでビジネスにしようとしている医療関係者さえいるが、これも又別次元で問題がある。私の個別の医療というのはこういうことではない。これもわたくしが受け入れたくない治療の一つだ。

結局、心筋梗塞再発予防のためには 、抗血小板薬、高脂血症用薬(とくにスタチン)、βブロッカー、カルシウム拮抗剤、ニコランジル、そして心筋保護にACE-IだけでなくARBも血圧が高くなくても投与を・・・最近は亜硝酸薬も長期的にいいと(少し前のEBMでは効果はないはずだった)とのことだった。一体全体、心筋梗塞再発防止のために、どれだけの薬をつかえというのか。それらのEBMはそれをつくって、売れるようにしようとする製薬会社の明らかな意図の元に大量の治験費用を投入されて作り出されていく。それらを全部投与し積み上げたら・・・彼らがいうように、すべてその有用性を重ねたらおそらく再発率はゼロに・・・なるはずがない。

少し話がずれるが、ステントなどの医療機器メーカも・・・再狭窄の成績を良くするために薬剤溶出ステントと言う恐ろしいデバイス・・・急性冠閉塞予防のためおそらく一生ア スピリンとパナルジンを飲み続けなくてはならないという運命を患者に背負わせることになってしまった、このことも非常に疑問に思う現代医学のあり方だ。

残念ながら、この会の中でこんなことを考えているのは私だけのように思われ、会議中に意見を言うのは控えて帰ってきた。どうやってこのEBMにながされないようにしながら 、つまり製薬会社の思うつぼにはまらないようにしながら、患者さんの命と将来を守っていくことができるのだろうか・・・そのことばかり考えた帰りのタクシーだった。

 

もう一つ、言いたい。この季節に殺人的な冷房きかせかたをしていた三河安城駅前のホテル、おそらく20度くらいに設定していたと思われる。会議中ずっとふるえあがっていたが、それも気づかない。環境の考えなど全くないと思われ、二度と使いたくないホテルとおもった。 おかげで帰宅後はひどい頭痛と喉の痛みが続いた。

 

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