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休み明け、混んだ外来が終わってほっとした夜。定例の業者面会2件目の方と話しているとき、妻が家からわざわざクリニックへ来る。私が携帯を運転モードにしていて、ある人からの電話に出なかった為、自宅に連絡があったのを知らせにきてくれた。
その連絡の主は、・・・伊藤真司さんという、この地方では音楽のイベントを最も沢山ひらいている人だった。私は伊藤さんとは30年以上のおつきあい(高校1年からの)。私は岡崎高校だが、伊藤さんは刈谷高校のそのとき既にOB,私が高校/大学で合唱に熱中したきっかけも、この人。私がこの十年ほど、バッハ、ブラームス、モーツアルト、フォーレなどのソロをオーケストラなどの前でうたわせていただいたのもこの人のプロデュースだった。その人が、名古屋であるバリトン歌手Kさんと食事をしていて、私のクリニックの事が話題になった、これから行きたい、行って良いか?と。伊藤さんはいつもそう、・・・急に決めて行動に出る。
久々の1日診療の上に、昼はピアノが入ったばかりで秋のイベントの練習をしていて、くたくただった私は、その時点では断わりたかった・・しかし、妻が、『Kさんと会えるなんてチャンス』と言って2階のホールの準備を始めた。私は了解の返事をした後、いったん自宅に帰り、夕食を書き込み、もう一度クリニックへ。
9時過ぎ、伊藤さんはソプラノ歌手の鈴木めぐみさん(このかたも20数年来の知己)とバリトン歌手Kさんを連れて来訪した。そのバリトン歌手K さんというのは、河野克典さん!昨日入ったばかりのベーゼンドルファーを前にしばし自己紹介や部屋の説明・・・そして・・・伊藤さんがせっかくだから河野さんの前で歌ってご覧と!楽譜は沢山あった・・・私がシューベルトのLitaneiの楽譜を渡すと、河野さん自身がピアノの前に座り伴奏を始めた・・・1番だけ歌ってから、少し話し、もう一度歌ってご覧と・・・歌い始めてすぐ『そこはこう歌って・・・」と、そう、なんと即席レッスンが始まった・・・

響きのいい当ホールで歌っていると、響きに甘えて歌の歌い方が雑になる、レガートとはどういうものか、実際に歌って教えてくれながら通した。『次はしっかりしらふのときに(少し河野さんは赤ら顔だった)やりましょう!』と。次回の正式のレッスンのお誘いだった。アマチュアでこれだけ歌えるのは立派、プロでなくてよかったとほめていただいたが、プロと私の素人の歌い方は確かに雲泥の差であった。ただ、河野さんも一部認められていたが、私は他のいろんなところで歌うより、自院の星の部屋で美しい響きにのせて、軽く歌って、聴いていただく人の心を和むようにしたいと思ってそういう歌い方を目指したいと思っている。でも、今回の特別レッスンで、やはりもっともっと勉強したいという気持ちがこみ上げてきた。
もう一つ大きなニュース。当院で1年以内に河野さんのコンサートをひらくと言うこともお約束した!
夜11時前、3人の訪問者は帰って行かれた。
何か、夢の中の出来事のようだった。ベーゼンドルファーが招いてくれたのではないか、と思う事しきり。

うーん、もっと楽譜が読めたり、楽器が弾ければ。。。音楽の基礎をやっておけば良かった。今出来る事をがんばってやって行く事しかないけれど。

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