私は診療の中に芸術療法を取り入れている。アントロポゾフィー医学に基づいた芸術療法のうち、オイリュトミー療法を主として取り入れている。幸運なことに日本に10名程度のオイリュトミー療法士の中の3名が当院に関わっていただいている。開院時に関わっていただいた細川さんは船戸クリニック(養老)での活動が忙しくなって、残念ながら最近は来てくださっていないが、スイスで学んだ松本さんと最近ニューヨークでの研修が終わった山本さんの2名のdiplomaをとった療法士が定期的に来てくださっている。患者さんや自閉症の小学生などいろんな方が治療を受けているが、私も患者の一人として、以前松本さんに、今は山本さんから治療オイリュトミーを受けている。
比較的早く診療が済み、かつ対外的な仕事がないために、今日は治療を受けることができた。また、きょうはセッションの最後にステキなプレゼントをいただいた。ある詩を朗唱いただき、それにあわせてオイリュトミーをつけるというもの。私の「問題」を考えてくださって、それにあった形のエクササイズを、それこそ私のためにつくってくださったのには感激した。その詩は、谷川俊太郎の「六十二のソネット」より、「62 (世界が私を愛してくれるので)」。
私のなかの、おそらくは、常に悩んで悩んで苦しみ抜いているが、外からだけでなく自分自身からも閉ざしている核心の心にふれるもののようなきがした。
せっかく頂いた詩をすぐにここに書くのも、もったいない。しばらくはじっくり読んで、感じて、そして、またオイリュトミーの時に少しずつ行い、自らのものにしていきたい。そうしたら、きっと私もいつも悩み苦しむこともなくなるだろう。
・・・・・私は人を呼ぶ
すると世界が振り向く
そして 私はいなくなる
自分を理解しようとし、苦しみながらも、手をさしのべてくれる人がいることの静かな実感とよろこび。
みずからが患者さんに対しても、また私を取り巻く職員、家族に対してもそうなれたらいいなあと、素直に思う。
「悲しみを知るもののみがわかる歌」だと、以前コンサートを聴いた方から感想を頂いたことがあった。悲しみを持つからこそ、人の悲しみに共鳴をすることもできるのかも知れない。しかしそのままでは相手の力になることはできない。そこが治療者として私がもっともっと成長しなくてはならないところだ。
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