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2007.11.06 08:17 |  診療  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 5

奈良地検の判断

調書漏示問題では、一応の決着をみたようだ。
奈良地検はK氏の起訴を見送った。
例によってメディアは報道への公権力の介入に焦点をあてて批判しているし、K氏の起訴を見送ったのも地検がメディアの批判をおそれたのかもしれない。
 結果には釈然としない。一般のメディアが公権力の介入を批判するのは当然としても、メディアは同業者としてのK氏や講談社をもっと批判すべきではないか。
鑑定医が逮捕されたことで、メディアは情報源の協力を得られにくくなることともっとも恐れているようだ。
でも、問題はそこにあるのではないと思う。
医師などの専門家がメディアに協力するのは、障害や疾病に関する誤解や偏見をなくしたいことや、何が必要な支援を社会が理解してほしいからであろう。
専門家としてメディアに「協力」するのであって、食品会社の内部告発者の立場とは本質的に異なる。
また医師にとってはクライアントの利益が第一であって、クライアントの利益が保護されない限り、どんなメディアとも協力できない。今回の事件は、クライアントの利益を台無しにしたという点で、鑑定医もジャーナリストも罪は免れないと思う。メディアは、その点をもっと重大視すべきだ。
啓発という点から医師の視点から今後のことを考えてみよう。
まず、精神鑑定が必要な少年事件が起きたときに、少年も少年の家族も鑑定医に必要な情報を提供することに躊躇するだろう。鑑定は一般の臨床とは違うのだろうが、それでも医師ー患者関係という信頼感が基底にあるはずで、少年も家族も事件と直接の関係のない個人情報までが公にされるのだから鑑定が非常に難しくなり、今後の少年犯罪の予防という観点からは大後退である。
社会的な負の影響は計り知れない。でも、この点を指摘しているメディアはほとんどない
今回の事件のことで、僕自身はメディアに協力する気持ちを完全になくした。
それは逮捕を恐れるからではない。
メディアが
少年の人権を犠牲にすることに許容的であること  
メディアにとって
専門家が単なる情報源であって協力者ではないと位置づけられているらしい
ということがわかったことだ。
さらに下記報道によると地検が

以下引用

「コピーは取らない」と持ちかけながら調書をデジタルカメラで撮影した行為などは「取材の駆け引きを超える範囲ではない」とした。
http://www.asahi.com/national/update/1102/OSK200711020071.html
引用終わり  
  という新聞報道が事実なら、メディアが取材目的で嘘をつくことに地検がお墨付きを与えたということだ。

これは恐ろしいことで、例えば研究室で取材を受けている時にトイレにたつと、トイレに行っている最中に資料を撮影されたりすることがあっても「しようがない」ということだ。

この地検の発表を読んでジャーナリストは安堵しているだろうか?もし、そんなジャーナリストがいたら(いるとは信じられないが)、そうとうに極楽トンボである。
このお墨付きでジャーナリストは、さらに取材がしづらくなるはずだ。この点に関しても、心あるジャーナリストやメディアは地検を批判すべきでなないか?
あるいは地検の側からの暗黙の医師や専門家への警告か?あるいはせめてものメディアへのしっぺ返しか?
などとまで勘ぐりたくなる。
僕は今まで、ずいぶん取材に応じてきたし、啓発のためと思って自分の時間を費やしてきた。
しかし、今後は考え直そうと思う。

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2007.10.27 20:28 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 4

情報源の秘匿が問題か?

今日の朝日新聞の記事に
「知る権利」に応えるには
情報源秘匿 何より大切
と出ていた。
さらに逮捕は行き過ぎだという。
「食の偽装」の発端も内部告発だし・・・
というわけだ。
メディアの論点は朝日に限らず、知る権利、情報源秘匿、
表現の自由への公権力の介入
をテーマにしているのだが、
なんか論点がそれだけで良いのだろうか?
今回の奈良の事件は赤福とかミートホープの問題とは本質的に異なる点がある。
それは、少年のプライバシーが細部まで暴かれることが一人の人間のこれからの人生にとって良いのかどうか
そこまでしないと再犯予防の啓発にならなかったのか
どうかという点が論点であるはずだ。
もう一つの論点はジャーナリストのモラルとフェアネスということだ。
再犯予防という「崇高」な目的のために是が非にでも情報が必要なら「「迷惑はかけない」などという代わりに「最悪、逮捕されるかも知れないが協力してほしい」と申し出るべきだったと思う。そして、原稿を鑑定医に見せるべきだったのではないか?

「出所は内緒にしてやるから、何でも話せ、伝えることはこっちが決める」という態度はジャーナリストの万能感の表現、あるいは単に傲慢としか思えない。

情報源さえ秘匿されていれば何を言っても良いわけではないだろう。
「知る権利」といっても、第三者が今後の人一人の人生を左右するかもしれない細かいプライバシーまで知る権利があるとも思えない。
メディアは一人の少年の今後の人生の重みをもっと良く考えるべきだ。
企業の内部告発とは本質的に違う問題だ。

 

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2007.10.23 00:32 |  診療  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 3

講談社の声明

この話題、休止しようと思ったんだけど
講談社のHPのトップに声明がでていたので、いろいろ考えてしまった。
http://www.kodansha.co.jp/emergency2/
で、読んで不思議な気分になったのだけど、さすがに
関係者への「お詫び」の表明はされているのだけど、
肝心の少年へのお詫びは無いのですね。
それとも「ご遺族の方々」に含まれているのでしょうか?
「私たちジャーナリズムに携わる者の使命は、国民の知る権利に応えるべく、真実を明らかにして報道することにあります。」
まあ、そうなんだろうけど、「真実」には実名とか住所とかもいるんでしょうか?実名や手書きのメモを報道することが再犯の防止になるとは思えないのですが。
以下引用 
  •  一連の捜査は、「秘密漏示」に対するものとされています。「秘密漏示」とは、弁護士、医師や薬剤師といった高度な守秘義務を要する職業につく人が、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らした場合に適用される罪状です。
もちろんそうなんでしょうけど、以下に続くのが
  • 一方、私たちジャーナリズムに携わる者の使命は、国民の知る権利に応えるべく、真実を明らかにして報道することにあります。
で、「一方」だから、医師は罪に問われてもしょうがないけど、ジャーナリストは罪に問われるのはおかしいと主張しているようにも読めますね。
有名なジャーナリストの有田氏はブログで
 http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/09/post_e63c.html
  • 情報を得たジャーナリストの立場からすれば、知った以上は報じなければならない

そうです。これはすごい言葉ですね。
知った以上は個人情報でも、個人を傷つける中身でも報じるのがジャーナリストであれば、「弁護士や医師など高度な守秘義務を持つ」人は、報道されても良い情報に限定して、ジャーナリストに話をすべきですね。

ジャーナリストも守秘義務を持つ人に取材する時には「知った以上は報道します」と断った上で取材するのがフェアというものでしょう。草薙さんや講談社スタッフは、そう断ったんでしょうか?

まあ、ジャーナリストとつきあう上で、有田氏のブログや講談社の声明は参考にはなりました。
「第三者を含む調査委員会」を作って調査するそうですから結果にも注目したいとは思います。
調査委員会の人選によって結果はある程度予測されるような気もしますが、どんな人選なのか注目です。

 

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2007.10.20 23:24 |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 2

鑑定医

報道によれば、鑑定医はジャーナリストに騙されたと思ってはいないと言っているそうです。

というと、こういう事態は織り込みずみだということなのでしょうか?

なんだが、わけがわからなくなりましたね。

まあ表にでる情報が操作されている可能性もあるし、ちょっと

この話題は時間をおいて考えます。

この鑑定医の先生とは直接の面識はありませんが、同じ児童精神科医の一人として、いろいろ考えさせられます。

 鑑定医の仕事はただ診断だけするのではないと思います。

 

少なくとも少年を鑑定をする(児童)精神科医は、個人のプライバシーを守りつつ、犯罪が繰り返されないように専門家として必要な提言を関係者や世間に向けてするべきでしょうね。まあ当然のことではありますが。

 

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2007.10.18 23:49 |  研究  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 4

命を差し出す

調書漏示問題で、ジャーナリストのK氏は「命を差し出しても情報源は言えない」と語ったそうだ。その心意気はジャーナリストとしては称賛されるのだろうけど、そんな「命をかける」くらい大事な情報源なら、なぜもっと情報源を特定されないような工夫をしなかったのだろうと思う。さらに実名で細かく家族が何が言ったかがわかるようにコピーを本にしたわけだが、本人や家族が読んだらどんな気持ちになるのか考えなかったのだろうか?

秘密が守られると信じて医師にあえてつらいことも話した人たちの気持ちはどうなるのだろう。自筆のメモを本の表紙に使われた少年の気持ちは?

今後、医師に話したことが本になって誰でも知るようになるのだったら、これから事件が起きたとき(あるいはすでに起きた事件の鑑定で)本人や家族は鑑定医に本当のことを話さなくなろだろうとか思わなかったのか?そんな事態になったら、少年事件の再発防止はさらに難しくなるかもしれない(と思わなかったのか?)。 

 突然話は変わるのだけど18歳の亀田は「負けたら切腹」と宣言した。まあ、パフォーマンスだからと気にしすぎるのもいけないのかもしれないけど、周囲の大人は「負けても切腹なんかするな」となぜ言わなかったのだろう?大人のアナウンサーが負けた亀田に「切腹は?」と迫ったりするのは、虐待じゃないか?

謝罪会見みてたら、「少年」の亀田だった。

勝者の内藤の対応は大人の対応でとても良かった。

メディアはもっと少年の人権に敏感であって欲しい。

 

 

 

 

 

 

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