ブログが京都に行ったままで帰ってこないけど、どうなっているのだという問いあわせみたいなのを時々もらっていて、気にはなっていたのだけど、更新に手が着かず数ヶ月が過ぎました。
UNCというのはUnivercity of North Carolinaのことで、自閉症の支援プログラムTEACCHの発祥の地です。
この連休を使って、TEACCH部を3年ぶりくらいに訪問して、見学とかしてきました。まあ、自分自身は年齢的にも立場的にも教育者としての役割はあるのですが、このように被教育者になるのが好みで、優れた臨床に接する機会は貴重です。
写真はUNCの本部があるチャペルヒルの夕陽です。
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学会とかで忙しくて更新が滞りました。
先週末は横浜でLD学会がありました。LD学会のことは時間がある時に書きたいことが色々あるけど、今回のテーマはディスレキシアで、演題やシンポジウムもディスレキシア関係のものが多く、ある意味本来のLD学会らしくなったかもしれません。で、LD学会の印象ですが、なんか特有の雰囲気のある学会です。まあ児童精神科や特別支援教育の関係の学会は、ユニークな人が多いのですが(あ、もちろんユニークはほめ言葉です)、LD学会のユニークさのベクトルの向きは、たとえば精神神経学会や特殊教育学会のユニークさのベクトル方向とはちょっと違う方を向いている気がしました。若い学会ということもあるのかと思いますが、学会が青春しているというか、なんか一オクターブ高い感じです。一オクターブ高いというのは昔、吉行淳之介が青春論もどきで使っていた表現で、うまいなあと思って覚えているのですが、元気やエネルギーがあって良いという面ももちろんあるのですが、なんか僕のようにシャイな人間(といっても信用してくれない人が多いのですが)には、ちょっと気恥ずかしい雰囲気というのも確かにあって、どっぷり浸るというよりは適度に距離をとって、でも、遠すぎない距離で関わっていたいような気もするという不思議な学会なのでした。
博覧会のことは、こっちを見てください
http://as-japan.raindrop.jp/index.html
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僕には嫌いな言葉が色々あるんだけど、その第一が「訓練」ですね。
医療、福祉や教育の分野では、当たり前みたいに使われる言葉ですが、僕は「訓練」という言葉を見たり聞いたりするだけで、ちょっと不愉快な気分になります。
偏食を直す訓練とか、社会性を伸ばす訓練とか、人の目をみる訓練とか、一杯ありますね。
訓練という言葉には、どんな不適切な「指導」も正当化できるみたいな危険が内包されています。
訓練という言葉を見たり聞いたりした時は、その中身が本当に発達障害のある子どもや成人のためになっているのか、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
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今日は少し専門的な話です。
学会もおわり、セミナーも終わりました。
セミナーってのはDISCOセミナー
興味のある方は来年もやりますので
で、溜まっていた心理テストレポートや診断書を書いたり、スタッフの書いたレポートを読んでいます。
子どもの発達障害の場合は、ほぼルーチンでWISCーⅢをやりますが、ある「権威ある」教科書に気になる記述がありました。
要約すれば
言語性IQがと動作性IQを比較して(あるいは言語理解と知覚統合を比較して、言語が強い子には言語で指示するべきであるし、非言語が強い子は視覚を使って指示するのが良い
という意味の記述です。
しかし、こと自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群も含みます)に関しては、言語性IQが動作性より高い子どもでも、言語理解が高い子どもでも、視覚的指示にほうがよく伝わる(子どもにとって理解しやすい)ことが非常に多いのです。
実際、言語性IQ140、動作性100といった子どもでも視覚的スケジュールを使うと、それを頼りにして自分でチェックしながらテストに取り組む子どもが沢山います。
テストは使い方次第で役立つのですが、臨床経験と常に照応しながら解釈しないと、おかしな解釈になります。
WISCⅢの英語圏での標準的なテキストには自閉症の項目がありません。(ADHDやLDはある)。
心理学の専門家が書いた心理テストのテキストの自閉症(スペクトラム)に関する記述について正直物足りない感じを受けることが多いのです。
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調書漏示問題では、一応の決着をみたようだ。
奈良地検はK氏の起訴を見送った。
例によってメディアは報道への公権力の介入に焦点をあてて批判しているし、K氏の起訴を見送ったのも地検がメディアの批判をおそれたのかもしれない。
結果には釈然としない。一般のメディアが公権力の介入を批判するのは当然としても、メディアは同業者としてのK氏や講談社をもっと批判すべきではないか。
鑑定医が逮捕されたことで、メディアは情報源の協力を得られにくくなることともっとも恐れているようだ。
でも、問題はそこにあるのではないと思う。
医師などの専門家がメディアに協力するのは、障害や疾病に関する誤解や偏見をなくしたいことや、何が必要な支援を社会が理解してほしいからであろう。
専門家としてメディアに「協力」するのであって、食品会社の内部告発者の立場とは本質的に異なる。
また医師にとってはクライアントの利益が第一であって、クライアントの利益が保護されない限り、どんなメディアとも協力できない。今回の事件は、クライアントの利益を台無しにしたという点で、鑑定医もジャーナリストも罪は免れないと思う。メディアは、その点をもっと重大視すべきだ。
啓発という点から医師の視点から今後のことを考えてみよう。
まず、精神鑑定が必要な少年事件が起きたときに、少年も少年の家族も鑑定医に必要な情報を提供することに躊躇するだろう。鑑定は一般の臨床とは違うのだろうが、それでも医師ー患者関係という信頼感が基底にあるはずで、少年も家族も事件と直接の関係のない個人情報までが公にされるのだから鑑定が非常に難しくなり、今後の少年犯罪の予防という観点からは大後退である。
社会的な負の影響は計り知れない。でも、この点を指摘しているメディアはほとんどない。
今回の事件のことで、僕自身はメディアに協力する気持ちを完全になくした。
それは逮捕を恐れるからではない。
メディアが
少年の人権を犠牲にすることに許容的であること
メディアにとって
専門家が単なる情報源であって協力者ではないと位置づけられているらしい
ということがわかったことだ。
さらに下記報道によると地検が
以下引用
「コピーは取らない」と持ちかけながら調書をデジタルカメラで撮影した行為などは「取材の駆け引きを超える範囲ではない」とした。
引用終わり
という新聞報道が事実なら、メディアが取材目的で嘘をつくことに地検がお墨付きを与えたということだ。
これは恐ろしいことで、例えば研究室で取材を受けている時にトイレにたつと、トイレに行っている最中に資料を撮影されたりすることがあっても「しようがない」ということだ。
この地検の発表を読んでジャーナリストは安堵しているだろうか?もし、そんなジャーナリストがいたら(いるとは信じられないが)、そうとうに極楽トンボである。
このお墨付きでジャーナリストは、さらに取材がしづらくなるはずだ。この点に関しても、心あるジャーナリストやメディアは地検を批判すべきでなないか?
あるいは地検の側からの暗黙の医師や専門家への警告か?あるいはせめてものメディアへのしっぺ返しか?
などとまで勘ぐりたくなる。
僕は今まで、ずいぶん取材に応じてきたし、啓発のためと思って自分の時間を費やしてきた。
しかし、今後は考え直そうと思う。
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今日の朝日新聞の記事に
「知る権利」に応えるには
情報源秘匿 何より大切
と出ていた。
さらに逮捕は行き過ぎだという。
「食の偽装」の発端も内部告発だし・・・
というわけだ。
メディアの論点は朝日に限らず、知る権利、情報源秘匿、
表現の自由への公権力の介入
をテーマにしているのだが、
なんか論点がそれだけで良いのだろうか?
今回の奈良の事件は赤福とかミートホープの問題とは本質的に異なる点がある。
それは、少年のプライバシーが細部まで暴かれることが一人の人間のこれからの人生にとって良いのかどうか
そこまでしないと再犯予防の啓発にならなかったのか
どうかという点が論点であるはずだ。
もう一つの論点はジャーナリストのモラルとフェアネスということだ。
再犯予防という「崇高」な目的のために是が非にでも情報が必要なら「「迷惑はかけない」などという代わりに「最悪、逮捕されるかも知れないが協力してほしい」と申し出るべきだったと思う。そして、原稿を鑑定医に見せるべきだったのではないか?
「出所は内緒にしてやるから、何でも話せ、伝えることはこっちが決める」という態度はジャーナリストの万能感の表現、あるいは単に傲慢としか思えない。
情報源さえ秘匿されていれば何を言っても良いわけではないだろう。
「知る権利」といっても、第三者が今後の人一人の人生を左右するかもしれない細かいプライバシーまで知る権利があるとも思えない。
メディアは一人の少年の今後の人生の重みをもっと良く考えるべきだ。
企業の内部告発とは本質的に違う問題だ。
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昨日、突然TEACCHプログラム研究会の話をしたので
TEACCHって何ですか?というメールをもらいました。
TEACCHを知るのに、とても良い本が出版されたので
とりあえず紹介します。
藤岡宏先生著
自閉症の特性理解と支援
TEACCHに学びながら
ぶどう社
http://www.budousha.co.jp/booklist/book/rikai.htm
- :自閉症の特性を理解する
- :特性に沿って支援の方法を考える
- :医療・親さん・地域
の3部から構成されています。
内容紹介は後日、ちょっと詳しくします。
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今日は某市で特別支援関連の会議があった。
発達障害の支援をする場合、教育関係者との連携はかかせない。学校の先生と議論することで、診察室の中だけでわからないいろいろなことがわかって勉強になる。
個人クリニックの経営者としては、こういう会で一日使うのは実は経営的には苦しいのだけどね。
特別支援教育のことは書くべき内容は沢山あるのだけれど、自閉症スペクトラムの教育についてはTEACCHの支援がとても参考になる。
ということで、われらがTEACCHプログラム研究会ではTEACCH部からジョン・ドカティ先生をお呼びして
2008年1月26日、27日の二日間
京都のシルクホールで
TEACCHコラボレーションセミナー
を開催します。
自閉症やアスペルガー症候群の支援に関心のある方は是非ご参加を。必ず意義深い会になると思います。 詳しくは下記のHPをみてください。
http://www.teacchken.com/
ドカティ先生はグリーンビルTEACCHセンターのディレクターです。
http://www.med.unc.edu/psych/directories/dougherty.htm
http://www.teacch.com/regionalcenters/greenville/welcome.html
細身で穏やかで物静かなタイプの先生でTEACCHの中でも学校教育の現場で自閉症の人を支援することの第一人者です。
僕のTEACCHの師匠はジャックという、太めで脂ぎっていて冗談好き(からかい好き)で、ジョンとは正反対のタイプだったのですが、ジョンの主催でグリーンビルの養護学校で研究会があったときに、「ジャックとタイプが正反対だねえ」とつぶやいたら、横にいたスタッフから「そんな、ホントのこと大声でいっちゃだめ」と注意されたのが妙に印象に残ってます。
もう12年前なのだけど、どうでもいいことが記憶に残ります。
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この話題、休止しようと思ったんだけど
講談社のHPのトップに声明がでていたので、いろいろ考えてしまった。
http://www.kodansha.co.jp/emergency2/
で、読んで不思議な気分になったのだけど、さすがに
関係者への「お詫び」の表明はされているのだけど、
肝心の少年へのお詫びは無いのですね。
それとも「ご遺族の方々」に含まれているのでしょうか?
「私たちジャーナリズムに携わる者の使命は、国民の知る権利に応えるべく、真実を明らかにして報道することにあります。」
まあ、そうなんだろうけど、「真実」には実名とか住所とかもいるんでしょうか?実名や手書きのメモを報道することが再犯の防止になるとは思えないのですが。
以下引用
一連の捜査は、「秘密漏示」に対するものとされています。「秘密漏示」とは、弁護士、医師や薬剤師といった高度な守秘義務を要する職業につく人が、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らした場合に適用される罪状です。
もちろんそうなんでしょうけど、以下に続くのが
一方、私たちジャーナリズムに携わる者の使命は、国民の知る権利に応えるべく、真実を明らかにして報道することにあります。
で、「一方」だから、医師は罪に問われてもしょうがないけど、ジャーナリストは罪に問われるのはおかしいと主張しているようにも読めますね。
有名なジャーナリストの有田氏はブログで
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/09/post_e63c.html
情報を得たジャーナリストの立場からすれば、知った以上は報じなければならない。
そうです。これはすごい言葉ですね。
知った以上は個人情報でも、個人を傷つける中身でも報じるのがジャーナリストであれば、「弁護士や医師など高度な守秘義務を持つ」人は、報道されても良い情報に限定して、ジャーナリストに話をすべきですね。
ジャーナリストも守秘義務を持つ人に取材する時には「知った以上は報道します」と断った上で取材するのがフェアというものでしょう。草薙さんや講談社スタッフは、そう断ったんでしょうか?
まあ、ジャーナリストとつきあう上で、有田氏のブログや講談社の声明は参考にはなりました。
「第三者を含む調査委員会」を作って調査するそうですから結果にも注目したいとは思います。
調査委員会の人選によって結果はある程度予測されるような気もしますが、どんな人選なのか注目です。
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もうすぐ児童青年精神医学会ですね。
今年は岩手です。
僕は教育講演で、
「思春期・青年期の自閉症スペクトラムの診断」
http://www.jascapmeeting.com/48/kouen.html
を担当します。
本来、自閉症スペクトラムは幼児期に診断がついているべきだと思うんですが、現実はそうでもなく、思春期や時には成人期に初めて診断がつく人もいます。
思春期・青年期にどう診断するか、どんな支援が可能なのかを考えます。まあ、わずか一時間なので要点だけになってしまいますが・・・
ウエッブでは記載がないようなんですが、
Judith Gould先生が
Autism Spectrum Disorders and Related Conditions
というタイトルで11月1日にランチョンセミナーをします。
こっちは司会を担当します。
今年の教育講演は面白そうなのが多いですね。
クリニックからの発表もあります。
しかし、それにしても自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群の演題が増えたですね。気分障害も以前より関心がもたれてきたみたいです。
一昔前は自閉症と登校拒否がほとんどだったのですが、まあ、これも時代の流れですね。
岩手は寒そうですね。
ブログみている学会員の人は会場でお会いしましょう。
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