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例によって脈絡なく書いていくわけだけど、一種の活字中毒なので、なんか活字を読まないと落ち着かない。僕の場合、気が散りやすいので夢中になって読む本というのは、そう多くはないけど、これはホント、帯のとおり「読み始めたら止まらない」だった。書名は福岡伸一著、生物と無生物の間、 講談社現代新書。なんで読んだかというと大学生時代に同じタイトルのレポート課題があって、色々調べて自分では自信満々で出したのが赤点だったのを思い出 したという私的理由と、内田樹が推薦してたのと、前著の「プリオン説は本当か」が面白かったからという理由だけど、「プリオン」のほうは専門的でちょっと 難しくて分からないところもあった。今度のも全部理解できたわけではないけど、まあ、ホントに面白い。
分子生物学者の書いた一般向けの本というの は、専門的すぎて教科書読んでいるみたいなのか、逆に何でも遺伝子のせいにしてなにが言いたいのかわからない本が多い。同じことは脳科学者の書いた本にも いえて、まあ人間のことを話題にすれば、究極は何でも遺伝子か脳のせいに決まっているわけです。
本書は読むとそういった通俗遺伝子論とは全く違って、分子生物学からみた生命の本質が議論されていて、おもわずワクワクしてしまった。
生 物における一方向に流れる時間の重要性の解説やノックアウトマウスの実験における予想外の結果に落胆するだけでなくて、新たな解釈にいたる話はとても面白 い。研究というのは予想外の結果がつきものなのだろうけど、予想外の結果から学ぶことも多いわけで、これは臨床研究でも同じなんだろうと思う。
ボストンや昔の松戸などの情景描写も秀逸なのだが、生命の本質を普通の言葉で記述するところが凄いです。
「生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスをとりつつ、同時に時間軸の上を一方向的にたどりながら折りたたまれている。それが動的な平衡の謂いである」(エピローグより)。
なるほど、ページを読み進めて言って、ストンと腑に落ちる感覚が読書の快感であることを改めて確認したのでした。
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