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2006.09.27 22:49 |  診療  |  研究  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 1

自閉症スペクトラムの歴史

今度の旭川の講演では概論を話すのだけど、僕の場合、どういうわけか概論を話すことが多い。で、いつも同じ話ではつまらないので、概論については4つくらいの元パターンの原案があって、それに最近の話題とか聴衆のタイプ(親か、医者か、教師か、福祉か、TEACCH系?か)などによって、少しモディファイするという方法でやっている。で、この前の函館は歴史を簡単にして、歴史上のケース、つまりアスペルガーやウイングなどの歴史的な論文に登場するケースを軸に解説するという「歴史ケースパターン」だったんだけど、今度の旭川はなんでスペクトラム概念が必要になったかというウイングとグールドパターンなのだ。あと、構造化の必要性を中心に解説する、ラター、バータック、ショプラーパターンというのもある。
で、旭川の話だけど、スペクトラム概念を考える上で一番重要な論文は1979年、ウイングとグールドによるキャンバーウエル研究なのですね。
Wing L and Gould J: Severe impairments of social interaction and associated abnormalities in children: epidemiology and classification. J Autism Dev Desord 9:11-29, 1979.
この時代なんで、パンチカードでデータを整理したということだから、ホントに手作業だったんですね。論文というのは毎年大量に生産されるのだけど、後世まで影響力を持つ論文というのはホントに少ない。
今年の自閉症カンファレンスでメジボフ先生が、自閉症の専門家で、もっとも功績のあった3人はショプラー、ラター、ウイングの3人だと言っていたけど、本当にそう思う。
この3人は例えば、日本のフォークで言えば、岡林信康、高田渡、吉田拓郎、アメリカではボブディランとPPMとジョーンバエズみたいに、影響力があったし、実際の貢献も大きかった(ちょっとフォークに例えたの変ですね)。
話をもとに戻して、ウイングや我々は他の専門家から自閉症概念が広すぎるという批判を受けることがあるのだけれど、1979年の論文を読んで、なおかつウイングたちが今でもフォローしている79年論文のケースの話をきくと、広すぎる弊害よりも、狭すぎる弊害のほうがはるかに大きいことに気づくのだ。
くわしくは   http://www.ypdc.net/study/seminar/asahikawa_061014.html
(続く)

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2006.09.27 00:02 |  診療  |  生活 / くらし  |  その他(医療関連)  |  夕霧  | 推薦数 : 1

支援の目的

先週末は函館で講演会
昼は講演、夜は久々にあう友人と食事をしたり少しアルコールを飲んだり。
講演というのはちょっと難しい。聴衆のニーズとか予備知識とかが分かりにくい。
僕の場合は自閉症スペクトラムとは何かという話をすることが多い。それが基本の基本だと思うことと、その基本が押さえられていないことが多いからだ。
支援する目的ということも最初に確認したいと思う。
知能指数をあげる、普通学級に入れる、入学するまでに45分着席できるようにする、などは支援の目的ではない。最近よく耳にする「社会性を伸ばす」「ソーシャルスキルを養う」というのも、ちょっと違う気がする。それを目標にすると、なんかちぐはぐなことが起こるからだ。
なぜか今年は北海道にご縁があって、再来週は旭川なのだが、そこでも自閉症とは何かという話をする。旭川は自閉症スペクトラムの歴史というか、なぜ自閉症概念を広げる必要をウイングや英国の親や専門家が感じたのかという話をしたい。
どうもわれわれは一部では診断しすぎだと批判されることがあるみたいだ。診断は支援の第一歩だと考えれれば、本来診断すべき人に診断しないほうが問題は大きいと思うだけど、どうなんでしょうね。
ウイング先生の努力をきちんと認められる人はあまり多くないのかもしれないです。
さて、僕の考える支援の目的は「自分らしく生きるため」です。そして、その目的と自閉症スペクトラム概念の拡大は密接に関係しているのですよ。

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