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2010.09.23 17:05 |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  海外留学  |  DAICHAN  | 推薦数 : 5

GOMER患者の悲劇

以前の記事で書いた失語症の59歳の男性患者はGOMER(GET OUT OF MY EMERGENCY ROOM)としてやっかいな患者として扱われて必要最小限のことをされて、退院させられました。でも救急車でつれて来られたので、無保険の患者と判らずに私立病院に救急治療病棟(ER)で治療や緊急手術と4週間の入院後、かなりの医療費を請求されて、支払い無理やりに退院させられました。たった10日分の薬を与えられ自分でファミリードクターを捜すよう言われました。

友人の紹介もあり私の診療所に来ました。11種類の薬でした。

抗てんかん剤、降圧剤、精神安定剤、抗精神病剤、貧血の薬、胃潰瘍の薬など、いろいろでした。私は、脳神経科医、精神科医、循環器内科医、リハビリ医などをすべてしなければなりませんでした。保険が無いので、誰も彼を診ようとしませんでした。

よほど断ろうと思いましたが、英語しかできないふたりの息子さんと日本人の同棲している日本人ガールフレンドの面倒を診れるのは、私しかいないと思い新患として引き受けました。

まずは病院の記録をファックスしてもらいました。心電図と血液検査をして、オレゴン州から来ている息子さんから病歴を聞きました。もう薬がなくなるというので、30日分の薬を出しました。

その後、患者さんを診察して驚いたのは、20ぐらいのサージカルステイプルが頭皮に残ったままでした。手術後40日ぐらいで、頭皮に食い込んでいました。私がなんとか取りました。普通は手術後10日から14日で取るものです。ほんとうに人扱いででないと、怒りを覚えました。ERでも医療訴訟を恐れて必要最小限のことはします。友人の神経内科医に安く診てもらいました。もう仕事もできないので、65歳からもらえる老人保険のMEDICAREと身体障害者の国の援助を取得する方向に努力しています。臨床心理士の検査も受けてもらいます。多くの無保険者の人が、医療費を払えずに自己破産をしています。彼は貯金があり今はそれで何とか、家を売らずにすみました。

アメリカの無保険者は4人にひとり、ひどい状態です。これもまたアメリカの悲劇です。

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